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2013年03月14日

南半球珍道中

こんにちは!
南半球に行ってきました。
というと、ちょっと大袈裟ですが、赤道直下のガボンには同じ国に北半球と南半球の両方があるんですね~
ここ3週間の間に3回南の方に行ってきたのですが、3回目のは特に強烈というか、まさに珍・道・中だったので、ちょっとご紹介。

【1日目】
朝9時30分発の列車で出発予定、のはずが。。。
出発時刻、乗客も座席に着いて出発を待っていたところ、突然のアナウンス。
『出発が12時に変更になりました。11時半には戻ってきてください。』
もちろん、理由なんて説明しません。
これが日本だったら、その人のせいでもないのに、駅員さんに『会議に遅れる!』とか、『金返せ~!』とか、とりあえず文句言いますよね。
でもすごいのが、ガボン人は文句ひとつ言わず、駅近辺でちょっと一杯引っかける人、座席で寝る人、それぞれ自由。

そして12時、やっと出発ぶーん
私の目的地は、イヴィンドウ。
普通に7時間半位かかるところですが、出発遅れ+時々ノロノロ運転だったりで、着いたのは8時過ぎ。
もちろん、日は暮れて、辺りは真っ暗。
とりあえず荷物をおいて、ビールでも飲もうと近くの飲み屋へ入って、「食べ物何かあるかな?」と聞いたところ、『この村には食堂・レストランはないわよ~』びっくり!
仕方がないので、宿泊先の人に豆の缶詰をゆずってもらって空腹を満たしました。

【2日目】
その日の目的地はイヴィンドウ国立公園。まずは村の購買所で水と食料(缶詰)を調達。
木の生い茂るジャングルを四駆で進むこと3時間。時々、立ちはだかる木を切り倒しながら前に進む。
南半球珍道中

やっと着いた森の入り口。
南半球珍道中

ここからがほんのり悪夢の始まり。森と言っても、激しい登り。木の根をつかんで這い上がる感じ。重い書類、食料を背負っての森登りは5分で息が切れる汗
やっとゆるやかな森になって来た頃、未開封のペットボトルのケースやダンボールが散乱。
南半球珍道中

一緒に登っていたガイドに「あれ何?」と聞くと、彼は普通の顔して、
『そうそう、最初に言うと怖がるかと思って言わなかったんだけど、3日前に象が暴れて、僕の同僚が大怪我しちゃったんだよね。みんな持っていた荷物を投げ出して逃げたんだけど、一人だけが逃げ遅れて、背負っていたバックパックを突き抜けて、背中まで牙がささっちゃって、ヘリコプターで首都に搬送されたんだ。』

えぇ。。。3日前。。。がーん

でも、「こんな木の生い茂った森にヘリ着けないと思うけど、どうしたの?」と言う問いに、『その時は、3人ガイドがいたから、2人でこれから向かうキャンプ地まで運んだんだよ。あそこは平らな岩場だから、ヘリも着ける。』と。

私:「え、今日は2人だけど、象に襲われたらどうするの?」
ガイド:『大丈夫!!!』
    (もちろん何の根拠もないけど、自信満々に彼はそう言いました。そして、さらに続けて、)
     『本当に怖いのは、象よりもゴリラは人間より早く走れるし、木に登れるからね!』

書き忘れていましたが、この村と森に電波はなく、何かあったらかなり絶望的。ガイドは一応衛星電話を持っていますが、この深い森ではつながりにくく、結局何かあった場合は、森の入り口に戻るか、キャンプ地まで電波を探しに行かなければならないのです。がーんがーん

もう、あんまりネガティブなことは考えないようにして、ひたすら歩き続けました。ガッツポーズ

歩くこと3時間半、やっとキャンプに到着。
テントは意外といい感じ。
南半球珍道中

このサイトは観光客には開放していなくって、象やゴリラの研究者のためのキャンプ。なので、かなり設備は最小限。この日は2人の研究者が滞在中でした。
おふろはこんな感じ。
南半球珍道中

もちろん、電気も水もないので、日が暮れたらみんな探検隊みたいなヘッドランプ。
ふと空を見上げると満天の星ピカピカ
珍道中2日目にして、すでにどっと疲れていたのでものすごく癒された。

【3日目】
昨日来た道を戻り、早速下山?森下り?
前日の筋肉痛が下りにものすごくひびくあかんべー
子じかのように膝をガクガクさせながら、一歩一歩を踏み出しながら下る。
またまた昨日と同じように四駆で獣道を3時間走って、集落に到着。
まもなく別のサイトを訪問。
そしてやっとシャワー。
ここも断水頻発なので、ため水をチビチビ使いながらのシャワー。隊員時代のベナン生活を思い出した。

【4日目】
早朝4時。念には念を、と出発30分前に駅でスタンバイするも、やっぱり遅れて、電車は5時半頃に到着。
この夜行列車、まぁ~客は酔っ払い。
外国人女子一人旅の私を見つけては、何かとちょっかいを出してくる。
中にはかなりヘビーなこと言ってくる人もいて、相当タチが悪い怒り

2時間程して、ラストゥービル駅に到着。
早速気の良さそうなタクシー運転手を探す。
もちろん乗り合いタクシーなので、客が集まるまで出発してくれません。
しばらく待って、やっと出発ぶーん

向かうは、クラムトゥー。
ラストゥービルとクラムトゥー間は、アスファルトの道が整備されていて、すごくきれい。
川があったり、霧があったり、景色を楽しむ余裕があるくらい。

9時過ぎ、クラムトゥー到着。
まず最初に向かったのが、航空会社。
その日のお昼過ぎの飛行機でリーブルビルに戻る予定だったので、まずはリコンファームしつつ、飛行機が飛ぶか確認しなくては。

私:「今日の首都行きの飛行機、予定通り飛びますかね?」
航空会社のマダム:『あぁ、明日にキャンセルになったわよ~』
私:『えぇ~!!がーんじゃあ、返金するなり、ホテル1泊分はそっちが持ってくれるんでしょ?』
マダム:『あなた首都で航空券買ったんでしょ?ならここでは払い戻しはできないし、なにしろ地方の事務所に現金なんてないわよ!だからホテル代も無理!』
私:「明日の集合時間は?」
マダム:『それは今日の17時以降に連絡が来ることになっているから、それ以降に聞きに来て。』
※ガボンの国内線は飛行機の出発時刻は誰にも分からない。乗客も、空港の人も、出発時刻を頼りに空港に向かうのです。

ひとまず彼女の電話番号を聞いて、事務所を出た。
そして、アポを取っていたサイトを訪問して、今回の任務は終了。
次にやるべきことは、宿探し。
地方での宿探しはそんなに大変ではないけれど、航空会社へ近いホテルを取って、いつでも駆け込めるようスタンバイ。
約束の17時より少し早めの16時30分、さっきのマダムに電話するも一向に出ない。
直接事務所に向かうも、みんな帰って人っ子ひとりいない。
やられた~!!!ムキー
首都の本店に電話すると、集合時間は12時とのこと。
集合時間が分かって、帰れると安心した瞬間、早朝から動き回っていた疲れがどっときた。
ホテルでビールを1杯飲んで、落ちるように眠りました。

【5日目】
朝食を取りに町をブラブラして、ホテルに戻ってくるなり昨日のマダムからの電話。
『ちょっと、あなた!私たちもう空港にいるのよ!今すぐ来て!乗り遅れるわよ~』
私:「あなたこそ、ちょっと!何で昨日電話に出なかったのよ~!事務所に行ってもみんな帰っていなかったし!」
マダム:『そんなこと言ってる場合じゃないから、早く!』

荷物をまとめてホテルを出て、タクシー乗り場に向かったぶーん
なかなか愛想の良い運転手が5分くらい走った後、『ちょっとタイヤ交換したいからちょっと待って!』と言い出した!

私:「ダメ!絶対ダメ!!!飛行機に乗り遅れる~!」
運転手:『大丈夫、5分で済むから!』
私:「5分ってガボン・タイムの方?それとも、世界基準の方?」
運転手:『世界の5分だから!』
私:「乗り遅れたらどうしてくれるのよ!?」
運転手:『家に泊まればいいじゃん!1泊1万フラン!』

と、気の遠くなるような会話をしながら、タイヤ屋に乗り入れた。
もう、後はなるようになれ!と、飛行機が遅れることをひたすら祈った。

やっと空港到着。
受付にダッシュすると、昨日のマダムが、『間に合って良かったわね~!帰れてよかったね~!』と、笑顔。
私も確実に帰れることが分かって、ニコニコ

ようやくお家に着くと、ロイックがご飯を作って待っていてくれました。
あんなに好きだった一人旅ですが、今後はもういいかな~と思いました。
以前はこういうハプニングも楽しめたんだけれどね。。。


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Posted by Makimaki at 07:35│Comments(0)ガボン・旅
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