Makimaki on Tree

あっ！危ないっ！！！！！

私の視界に突然スピードを出したバイクが入ってきた。
そこで私の記憶はとまっている。
そのあとは、職場の同僚に支えられながら中央分離帯に移動したところから始まっている。
事務所の迎えを待つ間、あっという間にたくさんのベナン人に囲まれていた。
人が多すぎて周りの状況もよく分からない。
顔から血がたれてきたけど、どんな状態なのか自分では分からない。
不安になって聞いてみたけど、
「大丈夫！なんともない！心配するな！とりあえず、病院へ行こう！」
と、皆が口をそろえる。どういうこと？
迎えが来て病院へ行くと、順番を待っている人たちを飛び越えて診察室へ。
自分ではよく分からないだけに、ますます不安になる私。
私の顔どうなってるの？？？
診察室へ入ると、
「下着以外全部脱いで！」
と、先生。
えっ！？今日のパンツ超ヤバイんですけど。。。
「そんなこといいから、早く脱いで、そこに横になりなさい！」
はい。。。
まぶたから顎にかけて、顔の左半分についた血を拭われ、
「あなた運がいいわね～！かすり傷だから、縫わなくても大丈夫！」
それにしても、消毒液が沁みてかなり痛い。
それから、全身をくまなくチェックされて、
顔以外のすり傷も念入りに消毒。
「破傷風のワクチンは打ってるわよね？」
はい。
日本ではただのかすり傷でも、ここはベナン。
痛い思いをしたたくさんのワクチンの意味を実感した。
「また明日来なさい。」
と、化膿止めや抗生物質を処方されて、おうちに帰った。
家に帰ってすぐに、鏡に向かった。
ぎゃ～～～～！！！
顔の半分はガーゼで覆われていて傷こそ見えないけど、
目の周りが腫れて、内出血していて、まるで打たれすぎたボクサーの試合直後のよう。
嫁入り前なのにぃ。。。
薬を飲んで早々にベッドに入ったもののなかなか眠れない。
ひどくはないけど、鈍～い頭痛もしてきた。
やっぱり先生が勧めた睡眠薬断らなきゃよかったかな？？？
することも見つからず、一日を振り返ってみた。
やっぱりぶつかる瞬間や、倒れた瞬間、その直後のことを思い出せない。
そうこうしているうちに眠ったようだが、時計を見ると1時間も経っていない。
それを繰り返しているうちに朝がきた。
トイレの鏡をみて、またびっくり。
もう誰だか分からない。
手のひらで左半分を覆ってみると見慣れた顔に戻った。
ほんとにいつか元に戻る日が来るのだろうか。。。
それにしても頭が重い。
そのことを事務所の人と先生に伝えた。
「脳や骨には異常はないと思うけど、気になるなら。」
ということで、CTやレントゲンなど、検査専門の病院へ移動。
ここベナンでは日本でいう病院と検査する病院は別なのです。
CTスキャンの結果は異状なし。
頭痛は頭部を強く打ったショックからのものらしい。
ひと安心。

事務所の人や警察の人、病院の先生に、、
「ヘルメットかぶっててよかったね！そうじゃなかったら、かなり危険だったよ。」
と言われた。
事務所貸与のフルフェイスヘルメットを見た後輩隊員のKさんが、
「しばらくは乗れないからよかったらどうぞ。」
と、貸してくれたもの。

ありがとう。

顔は大変なことになっているけど、命は助かった。

ほんとうにありがとう。


P.-S.　このブログを読んでくれた方で、私の父と母を知っている方。心配するといけないので内緒にしておいて下さい
　　　　腫れも傷もそのうち良くなるから。